僕は不動産賃貸業という商売をやって整形を立てているんだけど、ときどき同級生なんかに会ったりすると、「お前はそうやって好き勝手なことをやって生きていけるんだからいいよなぁ・・・」というようなことを言われることがあるよ。
「まさかお前に商売の才能があったなんてなぁ・・・」と言われることもある。
それについては僕自身も驚いている。
まさか僕がこんなふうなことをやってメシを食える人間になるなんて夢にも思っていなかった。
だって僕は本当に勉強も落ちこぼれだったし、部活で活躍したこともないし、クラスの人気者だったわけじゃない。
社会に出て働き出すようになってからも、特に優秀なビジネス・パーソンだったわけでもない。
何の資格も持っていないし・・・
そのことで僕はずいぶん苦しんだような気がする。「自分には何もない」ということで、随分悩んだものだよ。
それでも僕は自分のなかにある『あり合わせのリソース』をどーにかこーにか使って、ここまでやってきたんだ。
僕が設立した法人は今年で10期目に突入した。毎月黙っていても、その法人の口座にはそれなりの家賃収入が振り込まれている。法人税に頭を悩ませるくらいの黒字も出している。
本当に不思議だなぁ。人生ってわからないものだなぁ。僕に何か言えるとしたら、それくらい・・・
少なくとも、僕に何か特別な才能があったわけじゃない。僕は特別な人間でも、何かに秀でた人間でもない。
冷蔵庫に残っていた食材を使って、「ちょっとでもおいしい料理をつくろう!」と懸命にやってきただけなんだよ。
だから、もしも今、「オレには何の才能もない・・・」とかって言って悩んでいる人がいたとしたら、どうかそんなに深刻に悩まないでほしい。
才能がないならないで、あり合わせのものでなんとかやってゆくしかない。もちろんありあまる才能をいかんなく発揮して、最初からスイスイいければそれに越したことはないのだけれど。
僕は人間の能力というのはそんなに大差はないのではないかと思っています。僕よりも勉強ができて、実際に北海道大学とかにラクラク入れた僕の同級生の今の現状を客観的に見ていたりすると、ますますそんなふうに思ったりするよ・・・
大企業に就職したらそれで幸福が手に入るか?といえば、それも違う。僕は大企業に就職して、うつ病になってまともに働けなくなった人を何人も知ってるよ。
ものすごい才能を持ちながら、そのもともと備わっていた才能を活かすことができず、46歳にしてひきこもりになっちゃったような人も知っている。
何がその人の人生を分けるんだろう?
幸福ってどうやったら手に入るんだろう?
それは僕にもわからない・・・
唯一言えることがあるとすれば、必死で生きるしかないんじゃないかということ。冷蔵庫のなかにある残りものの具材を使って、なんとか自分なりの最高の料理をつくることに全力を注ぎ込むしかないんじゃないかということ。
僕にはそんなことしか言えません。
人生に深く悩んでいる人は、もっと自分の人生を大らかにとらえたほうがいいんじゃないかなって思います。